動物の耳鼻咽喉科の設立は、私の小動物診療の集大成であります。
担当:上田一徳
学術博士、日本獣医皮膚科学会認定医、獣医アトピーアレルギー免疫学会による技能講習試験合格および同学会理事、犬猫呼吸器研究会Verms副会長
それは自分の経験から、幼少期に副鼻腔炎になり手術をして激痛でとても辛かった思い出から端を発しております。その後急性の喘息、慢性上気道炎、スポーツで鼓膜を破るなどの経験もし、耳鼻咽喉科の病院にはいろいろお世話になりました。更にはコロナウイルスによる感染症にも罹患し、色々今後のあり方も考えさせられました。動物たちも自分と同じ様につらい思いをして欲しくない、という想いでこの分野の勉学に励んで参りました。
私は、人の医学学会の日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会に入会させて頂き勉強させてもらっております。本学会では2021年に耳鼻咽喉科に頭頸部外科が追加されて名称変更されており、耳鼻咽喉科が扱う領域は、耳、鼻、咽頭と喉頭(上気道)、頸部、食道など範囲がとても広く、命とたくさんの機能を守りQOLを向上させる為に他の科や多職種との連携が必要となっております。耳鼻咽喉科の疾患は様々で多岐に渡り、診断治療はまるで総合格闘技のようであります。内科外科は当然の事、皮膚科、アレルギー科、免疫(感染制御)科、呼吸器科、循環器科、消化器科、歯科、腫瘍科など様々な知識と経験が必要であります。つまり、総合的な臨床対応能力が必要となってくるのです。サイト内の皮膚科、呼吸器科などのコーナーも併せて読んでみてください。
獣医学ではこの分野の名ではまだ未知の事が多く、この分野の疾患は特に正確に診断する必要があります。その為に当院では、CTおよび内視鏡システムの導入を実行いたしました。CTでは腫瘍の有無や占拠範囲を確定出来、内視鏡ではブラックボックスになっている中耳、鼻腔、上気道などの部位を鮮明に映像化する事で治療効果が躍進します。
しかしながら当院での診断治療に限界点がある場合、先ずは大学病院や二次診療施設の専門医の先生方との相談を私が致します。場合によってはその先生方の施設での治療へと紹介をお願いする場合がある事もご了承ください。
再度お伝えしますが、動物の耳鼻咽喉科の設立は私の小動物診療の集大成であります。慢性外耳炎、中耳炎、治らないくしゃみや咳、鼻詰まり、呼吸困難、睡眠障害、甲状腺癌などの疾患でお悩みの際は是非ご相談ください。2022年9月4日
扱う代表的な疾患
耳の疾患
- 外耳炎
- 犬の中耳炎
- 真珠種
- 猫の中耳炎
- 耳血腫
- 耳の腫瘍
1.犬の耳道腫瘍
2.猫の中耳ポリープ
鼻の疾患
- 歯科疾患関連性鼻炎
- 鼻炎(感染性とアレルギー性鼻炎)
- 異物
- 猫の鼻咽頭ポリープ
口と上気道の疾患
- 短頭種気道症候群
- 咽頭気道閉塞症候群
- 喉頭麻痺
- 喉頭虚脱
- 舌、咽頭の腫瘍(犬;悪性黒色腫、犬猫;扁平上皮癌、繊維肉腫)
頸部の疾患
- 甲状腺癌